ヴーヴーヴー。 萌子からの電話で、一気に現実に引き戻されたような気持ちになった。 「もしもし、萌子?」 広は私の手を離そうとしなかった。 「つばき〜!遅くなってごめんね!今どこ?ベンチにいなくてびびったよ〜!誘拐されてない!!??」 ある意味誘拐されている状況を、どう説明しようか頭が混乱する……。 「ごめんごめん〜。今からそっち行く!ベンチで待ってて!」 そう言って電話を切ると、広が一緒に行こうと言って、握った手を強く握り直した。