-恋の結末を-

「500円でーす!ありがとうございました〜!」
「わぁ〜い!!おいしそ〜う!!つばき〜!!見て見て〜!!」
振り返ると、萌子が大きなじゃがバターを手に持っていた。


今日は、浴衣を着て、花火大会。
友達と行く、初めての、花火大会。
嬉しくて楽しみで、朝からソワソワしていた。

「花火大会ってワクワクするよねぇ〜!!つばきは何食べる〜?」
会場はとても広く、たくさんの屋台が並んでいた。
「あれ!!」
私はたこ焼きを指差し、小走りで買いに向かった。

今日は楽しみと同時に、ずっと胸騒ぎがしていた。理由は分かっている。


一つは、帰りに会う予定の永斗だ。何を考えているのか、最近の永斗の様子はおかしく、なんだか不安だった。


そしてもう一つ。広のことだ。偶然もし会えるならと願う自分がいるのは不思議でならない。会いたいような会いたくないような、この中途半端な感情が、私を更に不安にさせていた。


「お待たせ〜!」
「行こ行こ!あっちの方がよく見えるっぽいよ!」
萌子の言う通り歩き、ベンチの方へ進む。


「あの!!萌子ちゃん!!」
「ん?!!」
萌子と私は、声の方へ振り返った。

「えっと、2組の……?」

声の主は、以前萌子に告白しに来た上条くんだった。(P.12)
永斗とは違うタイプだが、学校では有名な長身イケメンだ。

「上条くん!来てたんだね!」
「うん!ちょっと…いいかな…?」

萌子はどうしたらいいのか私に目だけで訴えてきた。

「どうぞどうぞ!私あっちのベンチ座ってるね萌子!」
私は、いつも萌子が私にするように、萌子を押し出した。



一人で歩くだけで、さっきとは全く違う景色に見える。

賑やかな花火大会の会場が、一瞬静かになったように感じた。