「つばきー!こっちこっちー!」
「萌子やっほー!」
私たち2人は、花火大会に着て行く浴衣を買いにデパートに来た。楽しみにしている萌子のテンションは、いつになく高い。
「わぁ〜!これかわいい!あっ!!これも〜!!!どうするつばき!決められないよぉ〜!!」
「ちょっと萌子落ち着いてぇ〜!」
萌子は数枚の浴衣を抱え、試着室に入って行った。
私は、好きな色や好きな柄は特別ない。
昔から、直感で、美しいと感じたものを選んできた。ある意味、偏ったこだわりはないのかもしれない。
「つばきはー?決めたのー?」
「まだ〜!」
店員さんが、私に似合いそうだと持って来てくれた3着を眺め、まだ決められないでいた私は、もう一度辺りを見回した。
「これだ」
声に出し、手に取る。
紺色の生地に、煌びやかに光る花が、夜空のように見えた。いつも見上げるあの空を思い出す。
「お互いいいの買えたね!よかった〜」
萌子は悩んだ末、水色ベースの浴衣を選んだ。髪飾りは、色違いを買った。
