「つばき!こっちだよ!」
「きゃー!こわいぃ」
「ったく!ほら!」
———授業中のうたた寝で、広が夢に出てきた。
小学生の頃、よく私の手を取って、危ない場所を一緒に通ってくれたこと。
出来ないことは一緒にやってくれたこと。
そんなことを思い出す夢だった。
広は私を弱くしたけど
広はきっと、私を強くもした。
「なーにボケっとしてんだ!藤坂!教科書!26ページ!」
後藤先生の声で、現実に引き戻された。
あんなこともあったな
こんなこともあったな
広との出来事は、
思い出せないくらい
本当にたくさんあって
広がいた時間は
私にとって大切な時間だった。
もう必要ない。
そう思っていたのに、夢に出てきた広の優しさと懐かしさで、また恋しくなる。
こんな風に、感情がブレる自分に、腹が立っていた。
