文化祭から、1週間が経過していた。
2日目の売り上げも、無事記録を更新し、人気と売り上げで、歴代1位も獲得した。
後藤先生は、「今週末はみんなを好きなものを食べに連れて行ってやる」と張り切っていた。
広と、顔を合わせたのは、文化祭のあの日が最後だった。今の環境が壊れる方が怖い。そう感じた私は、広が自分にとって必要ではないと思うようになっていた。
「ねぇねぇ!今日はカラオケ行こうよ!」
「いいねぇ〜!萌子とカラオケ行くの初めてだよね!楽しみ〜!」
放課後は、萌子とどこかに行くのが当たり前になっている毎日。カフェであーだこーだ話すのも、近所のファミレスで勉強するのも、萌子がいれば、特別で、楽しくなる。
「〜♪」
「萌子うまーい!」
「そっちこそー!」
「ちょっと私、飲み物取ってくるね」
カラオケでのドリンクバー。
私にとっては、青春を感じるには十分すぎるもの。
ジュースを選ぶ時間さえ、大切に思えた。
こんなに今を大切に思えるのも、あの時辛かったからだろう。それはそれで、よかったのかもしれない。
「あっ、すみません!」
グラスを取ろうとした手が、誰かとぶつかった。
「え!?つばきじゃん!」
「あれ!?永斗!?なんで!!」
「何でって、今日はサッカー部で文化祭の打ち上げ」
「あ〜!出し物大変そうだったもんね」
サッカー部は毎年、カレーに豚汁、チョコバナナと、たくさんの屋台を出すことが決められている。
「ま、サッカー推薦で来ちゃったからしゃーないな!」
「おつかれさま!萌子もいるよ!呼ぶ?」
「いやいいよ。ちょっと来て」
「へぇっ?!」
