広に出会ったのは、小学校3年生の頃だった。
転校してきた広は、私の隣の席になった。
色鉛筆か消しゴムの貸し借りで、会話をするうちに仲良くなった。
私が、生まれて初めて感じた、好きという気持ちは、この時から始まったのだろうと今振り返ると思う。
一緒にいることが当たり前。
遊べることが当たり前。
話しかければ笑いかけてくれるのが当たり前。
そう思っていたのに、広はどんどん遠くなってしまった。
もう、手が届かない。
「おはよ!つばき〜!」
「あっ萌子!昨日どうだった?」
「あ〜告白?いつも通りかな」
「あぁ〜外見褒められるやつね〜」
「男が大事なのって、見た目だけなのかね。あたしたちの中身を好きになって告白してほしいもんだわ」
———私たちの中身。
私の中身って、誰がどこまで知ってるんだろう。広なら私を、少し知ってたのかな。
私は広のこと、どれくらい知ってたんだろう。
