『おら!おら!』
『母さま!そとがなにかさわがしいです。』
『そうね。また、侍でも来たのかしら…。』
『また…ですか…?』
『さつき。良い子だから、その棚に隠れていなさい。』
『はい。』
『さつき、私はね、さつきの事…だーい好きよ。』
ギュッと抱きしめてくれる。
いつも、騒ぎが起きるとこのセリフを言って抱きしめてくれるのだ。
でも、今日だけはとても胸騒ぎがしていた。
『はい!早く隠れて!何があっても出てきちゃだめよ!私が良いと言うまで。約束よ。』
『はい、母さま。』
俺は棚に隠れた。棚の隙間から外の様子が見える。
ガラガラガラッ。
俺の家の玄関の扉が開いた音がした。
もしかして、とうさま?とおもっていたが違った。
母さまは、短刀を手にしていた。後ろに隠して。
『おい!金をよこせ!』
『お金、ですか。』
『そうだ!早く!』
母さまは懐から少量のお金を出す。
あ…!こんげつのおかね!これだけしかないって母さま…いってた。
『これだけしか、ないんです。』
そう言って、お金を侍に差し出す母さま。
『フン。こんだけか?…ハハハハ!奥さん、こんだけや無いやろ?』
『本当にそれだけです。』
『そんなことないやろ。昨日は美味しい物、食べたらしいなぁ。お金…まだ、あるやろ?』
『ホントにありません。』
母さまは強く言い切った。
『そんな事ないはずや!調べさせてもらうで!』
なんで?信じてくれへんの!!本当のことやのに!!!
『や、やめ―――――』
母さまを突き飛ばしてこっちへ向かってくる。
その時、母さまは素早く起き上がり
俺が隠れている棚に向かっている武士に
短刀を振り上げた。
ビシャッ!!
返り血が母さまにかかる。
『う、う――――っあ”!!このアマ!良くもやりやがったな!』
負傷を負った侍は負けじと逃げようとする母さまに刀を振り下ろした。
ビシャァァァァァ。
先程より大量の血が出る。
「ギャ――――――――――ッ!!!」
母さまの悲鳴が部屋中に響き渡った。
