翌日。



お日様がまだ登りきっていない朝。太陽がさんさんと輝き、カーテンの隙間から光が差しこむ。



目覚めの良い朝に気分がよくなった私は、
今日もいつも通り、髪の毛をポニーテールに結わえ、ピンで前髪を留める。



鏡に自分を映し、今日もいい感じかなって心の中では自画自賛。



母は朝早くから仕事に出ているため、私が朝食の準備を担当している。



ついでに今日は、父も出張でいないため一人だ。



苦手な目玉焼き作りに苦戦するも、なんとか出来上がる。



黄身の部分が、今日の太陽のように綺麗な円を描く。



トーストにそれを乗せて、いただきます。



それにしても、昨日の人は誰だったんだろうか。



せっかく朝、時間がない中作ったご飯の味も、このことによってかき消されてしまう。



気付けば手には何も残っていなく、ちょうど電車の時間にも間に合うかどうかの瀬戸際だったので、急いで家を出る。



もし会えるのなら、あの人にお礼もしなければ。



今日もあの土手に居てくれたらいいなという期待を胸に、風を切るような速さで駅のホームへと走る。