どれだけの時間が私を慰めてくれただろう。
もう日も暮れてお月様が顔を出す時間帯。
お母さんも心配してるだろうから、そろそろ帰ろうかと重い腰を上げようとしたとき、
「大丈夫ですか?」
包み込んでくれるような優しい声と一緒に、目の前には私のために差し出されたハンカチがあった。
そのハンカチで、今までの涙を全て拭う。
ようやく絞り出た小さい声で
「......ありがとうございます」
と、一言。
「さあ立って。もう暗いから女の子一人じゃ危ないでしょ?僕が送っていくから」
暗くてよく見えないその人は、私の手をそっと握って歩きだした。
どうしてだろう。
今日初めて会ったばかりなのに、すごく安心する。
さっきまでの辛かった気持ちが嘘みたいに、彼の声と共に溶けてゆく。
家に着く頃には、お月様は天高く登っていた。
「わざわざここまで、ありがとうございました」
「いえいえ。じゃ、気をつけて。またね」
“またね”の意味。
私を送り届けてくれたあの人は一体誰だったのだろう。
名前も、顔も分からない。
ただ一つ、彼の声だけが私の脳裏にしっかりと焼き付いていることは確かだった。
もう日も暮れてお月様が顔を出す時間帯。
お母さんも心配してるだろうから、そろそろ帰ろうかと重い腰を上げようとしたとき、
「大丈夫ですか?」
包み込んでくれるような優しい声と一緒に、目の前には私のために差し出されたハンカチがあった。
そのハンカチで、今までの涙を全て拭う。
ようやく絞り出た小さい声で
「......ありがとうございます」
と、一言。
「さあ立って。もう暗いから女の子一人じゃ危ないでしょ?僕が送っていくから」
暗くてよく見えないその人は、私の手をそっと握って歩きだした。
どうしてだろう。
今日初めて会ったばかりなのに、すごく安心する。
さっきまでの辛かった気持ちが嘘みたいに、彼の声と共に溶けてゆく。
家に着く頃には、お月様は天高く登っていた。
「わざわざここまで、ありがとうございました」
「いえいえ。じゃ、気をつけて。またね」
“またね”の意味。
私を送り届けてくれたあの人は一体誰だったのだろう。
名前も、顔も分からない。
ただ一つ、彼の声だけが私の脳裏にしっかりと焼き付いていることは確かだった。
