キミと、光さす方へ

窓ガラスの下に身をかがめて、ほふく前進のようにして進んでいく。


声が聞こえた場所で止まり、顔だけ出して中庭の様子を確認した。


中庭の中央に10ほどの男子の姿が見える。


同じクラスの男子が大半だけど、2~3人別のクラスの男子の姿も見えた。


さっきのセリフを言ったのは同じクラスの田中くんのようだ。


あたしは一瞬にして嫌な予感が胸によぎった。


今日の出来事を思い出してみると、あの中心にいるのは松本くんで間違いなさそうなのだ。


これだけの人数に囲まれたら、いくら男子でも立ちうちできないだろう。


「お前さ、本当に人殺しなんだってな。こいつが図書室で聞いたらしいぞ」


田中くんの言葉にドキリとした。


今日、あの時、誰かに話を聞かれていたことになる。


あたしは両手で口を押さえた。


「自分で認めたんだよな? あの噂は事実だって」


自分の両手がカタカタと震え出す。


心臓が早鐘を打ち始めて、背中にじっとりとした汗をかく。


真ん中にいるはずの松本くんの声は聞こえてこない。


今回も反論せず、ただみんなの言葉を受け止めているのだろう。


どうしよう。


こうなったのはあたしたちのせいだ。