キミと、光さす方へ

あたしが通っているのは地元の天城高校。


2年B組に在籍している。


成績はいつも中間あたりで、可もなく不可もなく。


仲の良い友人もいて当たり障りのない高校生活を送っていた。


「ちょっと琴江(コトエ)今日もギリギリじゃん」


教室に滑り込むと同時に友人の宮成泉(ミヤナリ イズミ)のニヤニヤ顔が出迎えてくれた。


「セーフはセーフだよ」


あたしはそう返事をして泉の前の席に座った。


先日行われた席替えで、あたしと泉は前後の席になった。


あたしは息を整えて自分の席に座り、鞄を机の横にかけた。


教科書類は後から片付ける。


他に会話をする暇もなく、担任の先生が教室へ入ってきて授業が開始されたのだった。