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突然烈が現れたのは驚いたけれど、その後は何事もなく遊園地デートを楽しむことができた。


太陽が沈んでイルミネーションが輝き始めてからは2人で観覧車に乗った。


奇麗な園内を見下ろしていると、直哉があたしの体を引き寄せた。


向かい合うように座っていたあたしは直哉に引き寄せられて、そのまま腕の中に包み込まれていた。


「愛してる」


囁く声が耳にくすぐったい。


少し無理な体勢だったけれど、それでも幸せだった。


永遠にこの時間が続けばいいのにと本気で思っていた。


でも……。


観覧車はいずれ下りなければならない。


見て見ぬふりをし続けることはできない。


現実はもっと残酷で、あたしたちの幸せは実は手の中になんかなくて、もっと遠くの手の届かない場所にあると知る時が来る……。