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そんな松本くんに呼び出されたのは翌日の昼休憩中のことだった。


場所は空き教室で鼻に入ると埃っぽさが気になった。


松本くんがあたしになんの用事だろう?


緊張して胸がドキドキするけれど、脳裏に浮かんでくるのは嫌な予感ばかりだ。


告白とか、そんな甘い展開になることはまずないと思う。


毎日メッセージをしていると言っても、学校内でのあたしたちの関係はなにも変化がない。


松本くんは相変わらず1人で座っていて誰とも仲良くしないし、それを望んでいるようにも見えなかった。


嫌な予感を抱えて待っていると、数分で松本くんがやってきた。


「は、話ってなにかな?」


少しの沈黙も落ち着かなくて、あたしは自分からそう聞いた。


声がひっくり返って手のひらに汗がにじんでいる。


それでもどうにか笑顔だけは作った。


「どうして俺に関わるんだ」


それはとても冷たい一言だった。


「え……」


松本くんはうつむいていて、前髪が邪魔をしてその表情がわからない。


けれど、いい気分じゃないことだけは伝わってきた。