キミと、光さす方へ

☆☆☆

ファミレスから総合病院まではバスで向かった。


歩いても近い距離だけれど少しでも早く松本くんの様子を確認したかったのだ。


病院の正面玄関はすでに閉められていたから、2人で夜間入口へ回って中に入った。


入ってすぐの場所に長椅子が置かれていて、柔道部の先生が待っていてくれた。


「先生!」


勇人がすぐに先生に気がついて駆け寄る。


先生は神妙な面持ちで頷き、あたしたちを連れて歩き出した。


院内ロビーは静かで時々遠くから機械音が聞こえてくるばかりだ。


突きあたりにあるエレベーターに乗り込んで、先生は3階のボタンを押した。


そこには外科病棟と書かれている。


あたしは早鐘を打ち始める心臓を、どうにか落ち着けようと深呼吸をする。


すると鼻腔に消毒液の匂いが入ってきて、刺激してくる。


あぁ、ここは病院なんだ。


ここに松本くんがいるんだ。


そう思うとどうにも落ち着くことはできないまま、3階に到着してしまった。


先生は先にエレバーターを下りて歩き出す。


あたしたちは置いて行かれないように小走りになった。


「ここだ」


立ちどまったのは305号室だ。