キミと、光さす方へ

松本くんは随分早くに教室を出ていったはずだけど、どうしたんだろう。


そう思いながら近づいてみると、門に隠れて見えなかった烈の姿が見えた。


あたしはハッと息を飲んで立ち止まる。


それに気がついた勇人も立ち止まった。


この街で烈のことを知らない人はいないから、勇人も険しい表情になった。


「なんだよあれ。なんであいつがここにいるんだよ」


勇人の言う『あいつ』は烈のことで間違いなさそうだ。


松本くんは烈からの誘いを断ったと言っていたけれど、烈が簡単にあきらめるとは思っていなかった。


でもまさか、学校までくるなんて……。


胸騒ぎがして、その場から動くことができなくなった。


このまま見て見ぬふりをして帰ることはできない。


「勇人、職員室に行って説明しよう」


あたしは勇人の腕を掴んでそう言った。


ここであたしたちが出て行けば余計に面倒なことになりかねない。


先生に事情を説明して助けてもらった方が利口だ。


「そうだな。行こう」


勇人は頷き、あたしたちは来た道を引き返したのだった。