キミと、光さす方へ

勇人はあたしの隣の席を勝手に借りて同じように勉強をし始めた。


家にいるときよりもずっと集中できるようで、30分経過するのもあっという間だった。


「なんか、琴江が学校で勉強する理由がわかった気がする」


2人で教室を出ながら勇人が言った。


「そう?」


「あぁ。家だとなにかと誘惑が多くて、集中できないもんなぁ」


勇人は両手を頭の後ろで組んで言う。


そんな勇人を見てあたしはくすっと笑った。


「それって単純に勇人の集中力がないだけなんじゃないの?」


「なんだと琴江」


勇人に腕を掴まれて声を上げて笑う。


自分のわら声が思ったよりも大きくて、自分で驚いてしまった。


廊下に響く2人分の笑い声に幸せが満ちていくのを感じる。


今日は心の中のもう1人の自分も、なりそひそめていて出てこない。


勇人になら、あの時のことを伝えられうるかもしれない。


そんな希望が見えてきた時だった。


校門の前に松本くんが立っているのが見えて、あたしは首をかしげた。