キミと、光さす方へ

「おもしろいじゃん」


小林くんが一歩あたしに近づいてくる。


あたしの後ろには花壇が広がっているから、これ以上後ろに下がることができない。


「松本と付き合って、お前も人殺しになれば?」


小林くんがそう言ってあたしの前髪を乱暴に掴み、顔を上げさせた。


人殺しという単語に心臓が跳ねる。


鷲掴みされた髪の毛が痛いのに、それよりも胸の方がずっと痛んでいる。


「やめろよ!!」


途端に怒鳴り声が聞こえてきて、次の瞬間には小林くんの体が横倒しに倒れていた。


それは本当に一瞬の出来事で、誰もが呆然としていた。


今まで花壇に倒れ込んでいた松本くんが勢いよく起き上がり、小林くんの脇腹を蹴りあげたのだ。


「なにすんだよ!」


小林くんの苦しげな声。


松本くんはあたしの手を握り締めて、走り出した。


あたしも我に返り、慌ててそれについていく。