キミと、光さす方へ

足が小刻みに震えて、目の奥に涙が浮かんできてジンッと熱くなってきた。


それでも泣くのが嫌で、あたしは顔を上げて田中くんを睨みつけた。


「なんでこんなヤツのこと庇おうとするんだよ。こいつは人殺しだぞ」


「そんなこと……ない」


否定する声が情けなく震える。


松本くんはあの噂を肯定しているから、こんなところであたしが意地を張っても意味なんてない。


それでも、田中くんたちのやり方は間違っていると思うから、反抗してしまう。


「もしかしてお前、こいつのこと好きなのか?」


田中くんに聞かれて、一瞬頭の中が真っ白になった。


あたしが松本くんのことを好き?


「図星かよ」


小林くんがおかしそうに笑うので、あたしは慌てて左右に首を振った。


「そ、そんなことない!」


言いきってから、本人を前にしていることを思い出してハッと息を飲んだ。


振り向くと松本くんは花壇の中でうつむいていた。


その姿に胸がズキリと痛む。


あたしなんかじゃなんの役にも立たないとわかっているけれど、それでも助けてあげたいなんて思ってしまう。