キミと、光さす方へ

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昨日は予期せず勇人とのデートになってしまった。


異性とのデートなんて産まれて初めての経験で緊張したけれど、勇人のおかげで十分楽しむことができた。


最初は心の中のもう1人の自分の声が聞こえてきていたけれど、時間がたつにつれてそれも聞こえなくなった。


あたしは本当に楽しむことができていたのだ。


でも……。


月曜日の今日、あたしは玄関前で立ちつくしていた。


時間はいつもよりも1時間は早い。


「あら、今日はずいぶん早く行くのね?」


お母さんが気がついて声をかけてきた。


「うん。今日は花壇に水やりをする番なの」


学校の校舎裏には花壇があり、様々な花が咲いている。


その水やりの当番は生徒が1人ずつ順番にする決まりになっているのだ。


年に1度回ってくるかどうかの役割が、ついに回ってきてしまった。


「わかった。それなら車を出してあげる」


お母さんは立つ尽くしているあたしを見て瞬時に事態を判断し、すぐに車のキーを取ってきてくれた。


「ごめんね」


助手席に乗り込みながら申し訳ない気分になってくる。


高校生にもなって自分の力で学校へ行くこともできないなんて、情けない。


「いいのよ。親にはいくらでも頼りなさい」


運転をしながらそう言うお母さんは、本当に頼もしい存在に見えたのだった。