♡♡♡

お祭り会場を結局、何周もした

たくさん喋って、たくさん食べた


先輩といるとあっという間に時間が過ぎる


そろそろ帰る時間だなあ

樹先輩とは、駅で待ち合わせしてるから神社から少し戻らなくちゃな


先輩はこの後家に帰るのかな?

そういえば、何でお昼から待ち合わせだったのかな?


他に誰かと行くのかな

気になって、聞いてみようと思った時



ピロン




先輩の携帯が鳴った


「ちょっとごめん」

「はい」


片手で、携帯を確認する



途端にぐっと眉間にシワを寄せる先輩


どうしたのかな?




「…羽華ごめん、もう行かなきゃ」


「え?」


何か急用かな

別に謝ることじゃないのに


「じゃあ、ここで解散ですね!」

「寄り道しないでよ」

「しませんよー、じゃあ九条先輩、今度モーニングコールしますね!」

「電源落としとく」



まだ、手はまだ繋いだまま

離すのは、寂しいけど、もう行かないと行けないよね


力を緩めて離そうした





グッ




「?」




指先だけ繋がって、離れそうだった手を先輩が繋ぎ直してくる


「…先輩?どうしたんですか?」


心配になって聞いてみる













「…ごめん」












さっきから、何に対して謝っているの?




苦しそうに顔を歪めている先輩




何かあったの?





聞こうと思ったけど、その前に手は離れていってしまう




代わりにそっと頭を撫でてくれて、





「じゃあね」







そう言って、いつの間にか見えなくなってしまった


人の並みに流されながら、なんとなく胸騒ぎがして、モヤモヤとした