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カランコロンと下駄をならして歩く

先輩とは手を繋いだまま

さっき嬉しくて、繋いだ手をブンブン横に振ったら頭を鷲巣かみにされて怒られた所

でもなんか、こういうのって、周りからみたらどう見えるんだろう?


もしかしたら、


「……付き合って見えるのかな」

「なに?」

「ん?!」


あ、…声に出てた?

「あ、のもしかしたら周りから見たら付き合ってるように見えるのかなーって思って…あはは…」

「……」


黙っちゃったよ

ここは、そんなわけないだろ、猿と一緒にしないで、っていつもみたいに返してくれた方が良かったよ

もう、せっかく楽しんでたのになんて事をしてしまったんだろう


「先輩、なんでもないですっ」
「…だったらいいな」

「え?」

同時に喋っちゃって何て言ったのか聞こえなかった


「先輩、もっかい、何て言ったのか聞こえなかったです」

「七五三の帰りとかじゃない」

「それ、私の浴衣姿の事言ってるんですか!」

そんなこと言ったら、先輩だって浴衣着てるんですから、私とセットですからね!


隣で楽しそうに笑う先輩、前よりも笑顔が沢山みられて嬉しい

「全然笑えないです!」

「じゃあ、帰る?」

「帰りません!もう、絶対この手を離しませ
んっ」

「切り落としてでも帰る」



夕方が近くなってきて、少し肌寒く感じる
結構長い時間先輩と一緒に居たんだなあと思った

相変わらず人は多くて、熱気もすごい

人混みから私を守るために、少し前を歩いてくれる先輩


優しさが、繋がっている手から伝わってくる


「ねえ、先輩、来てくれてありがとうございます」

「家バレしてるから、来なかったら家まで来そうだから」

「あ、そっか、これから会いたくなったら先輩の家に行けばいいのか」

「いや、来んなよ」

二人の間に流れる空気は暖かくて

ずっと続いて欲しかった