太陽みたいに笑うヒロ

また、イケメンになったなあ、と関心しまう

先輩の方がかっこいいけどね!

「なーに、1人でにやにやしてんだよ」

先輩の姿を思い出してニヤニヤしている私の頬っぺたをぐるぐる回してくる

「んー、ヒロより九条先輩の方がやっぱり何倍もイケメンだなーって!」

ピタッと止まるヒロの手

「…誰だよ、九条って」

「私の好きな人!先輩なの!」


先輩は、学校で一番のイケメンで、王子みたいなんだけど、女子がすごく嫌いでね?でもそこもまたいいんだよねー、あと、たまに猫みたいで、かわいいなーって思うし、あとあとー…

先輩のいいところを語ってしまっていたら


どことなくヒロの顔が暗いことに気づく


「ヒロ?」



不安になって、覗き込むけど


「…羽華から離れ過ぎた…俺以外の男子とは喋らないように、見張ってたのに…」


なにやら、ぼそぼそと1人で喋っているから、お返しに頬っぺたをぐるぐるしてみる


「ヒロー!!」


「うぉっなんだよ!触んなよっ」


「ヒロが1人で変なこと考えてるからで
しょー」


「考えてねーよっ」


ふと、ヒロの目線が下を向く


ピシッと固まるのがわかる

「?」

「…お前、その格好」

格好?


今日の私の格好は、黒色のキャミソールに
白いショートパンツ、上から少し大きめのパーカーを羽織っている


なんか、変だったかな?


「き、着替えてこいっ!」


顔を真っ赤にしながら、私の肩を掴んで遠ざけてくる

着替える?でも、今日は今年一番の暑さだって天気予報のお姉さんも言ってたぐらい暑い

これくらいの薄着じゃないと暑くて死んでしまうよ!


「やだよー!今日、暑いもん!」


「そんな、露出の多い服認めねーからなっ!」


必死な顔でそう言ったかと思うと、


「きゃあっ!」

私をいきなり担いで、二階へと続く階段を上がっていく