背中に軽い衝撃があった後、あっという間に天井が見えて、


「あ、の先輩?」



気がついたら先輩の顔が目の前に…



少し意地悪な顔で見下してくる



ああ、かっこいいなぁ


…じゃなくてっ!思わず見とれてしまったけどっ!


どうしてこんなことに!


「先輩っ、近いです」

「うん」



近距離で顔を合わせるのがしんどくて、横に顔を向ける



「こっち、見て?」

「え?や、あの、…ひゃあっ!」



耳元で囁かれて、顔がどんどん暑くなるのがわかる、耳くすぐったいっ

ぐっと先輩の胸を押して、キッと睨み付ける


「やめてくださいっ」

「…今すぐ写真消したらやめる」

「そ、それはっ、ふぁっ!?」


先輩の少し冷たい手が、スルっと背中に滑り込んでくる



も、もう無理っっ


「わっわかりました!……はいっ、消しましたぁ!!」

「ん、よくできました」

ぱっと離れていく先輩


さっきまで、触れられていたところは熱をもってる


顔をおさえながら、ふうっと溜め息をゆっくり吐いてチラッと横をみる


そんな私を気にせず、また寝に入っている先輩


「先輩、ずるいですよ」


女嫌いの癖に


「軽く犯罪してる、きみに言われたくない」

「…柚木羽華です」

「ん」


私の名前覚えてくれてないんだなぁ

九条先輩ならあり得る


「いつか、呼んでくださいね」

「…」


先輩の横に座り直して、そっと呟いた




こうして、少しでも一緒にいられる




それだけで今は嬉しかったから