♡♡♡

終業式はだいぶ前に終わってたみたいで、すでに帰っている生徒も多い

先輩も帰っちゃったかな


校舎をぐるぐる回る

でも、いくら探しても見つからない

やっぱりもう帰っちゃったかな

今すぐ話したかったんだけどな

どこか

先輩の行きそうな所は…





旧校舎



美術室




私はまた走り出す





きっとそこにいるはず



勢いよくドアを開けてしまう


バンッ




「はぁっ、はっ」



「………羽華」




やっぱり、いた



まだ、名前で呼んでくれるんですね



また、無視されなくて良かった


それだけで涙が出そうになる



グッと堪えて、先輩に近づく



少し驚いた様子の先輩


ゆっくり近づいて


先輩からは少し離れた所で足を止める