何度でも君に好きが届くその瞬間まで

「…あいつまだ、月野と…」

ボソッと呟いた先輩の声は私には届いていなかった

黙ってしまった先輩が不思議で見つめていたら先輩もそれに気づいたようで、慌てて話しかけてくれる

「そっか、羽華ちゃん、辛かったね、もっと早く話に来るべきだった」

「如月先輩は悪くないですよ、ただ私が九条先輩に嫌われちゃっただけですもん」

にへらっと笑って見せる

「それは違うよ」

如月先輩の表情は真剣で

私を動揺させる

「あいつ、羽華ちゃんと話さなくなってから
 すげー機嫌悪いんだよ、いつもよりファン
 の子達に対する態度もすごいし」

あれより!?

いつもの!?

そのうち死人出ますよ?あの冷たい目で

「なんでかなーって、考えた時にさ、そういえば羽華ちゃん、告白しに来なくなったなって思って、そしたら、…そっか、湊が原因か」

うんうん、とうなずきながら

腕を組む

何が何だか、私にはさっぱりで

九条先輩の機嫌が悪くなったのはきっと、私じゃなくて、月野先輩のことなんじゃないかな?

喧嘩したとか


その事を先輩に伝えてみたら

「それはないよ」

絶対

最後に念を押す様に言う先輩

いつもヘラヘラしてる如月先輩が言うと何だか迫力があるな…

「でも、なら私なんて原因の一部にもなれないと思いますよ」

自分で言って悲しくなる

九条先輩とは、あれから一度も喋ってないし

きっと、私の姿が視界に入るだけで嫌だろうから、先輩のことを避けて過ごしてきたから

その事も如月先輩に伝えれば、


「あー、それも原因か…」

如月先輩は頭を抱えてさっきから唸っている

「羽華ちゃん、そういう事なら、もう一度
 湊と喋ってやってほしい」

「それは、出来ないですよ…だって、」

きっと、また拒絶されてしまう

下を向いて固まった私を如月先輩は、私の顔を優しくグッと両手で持ち上げて