何度でも君に好きが届くその瞬間まで

♡♡♡

“社会科準備室”

旧校舎に近く、少し古い扉

体育館からもどの教室からも離れている


「ここ、俺だけのサボり場所!」

ニヤリと笑って中に入れてくれた

扉は古かったけど、中は綺麗に片付いていているから、よほど愛用しているんだなあ

「…ここに、いつもは、女の子連れ込んだりしてるんですね」

「ははっ、羽華ちゃん、俺のことそんな風に見てたの?」

あ、声に出てた

「あはは、ごめんなさい」

「や、うん、この際教えちゃうんだけどさ」

「?」

なぜかそこで黙って、首の後ろを掻きながらモゴモゴしている先輩

照れる要素あったかな?


はあーー、と大きな溜め息の後


「俺、一回も誰かと付き合ったことないんだよね」





「えー!!」


「あー、そんなに驚かれると、逆に嬉しいな」


本当に嬉しそうに笑っている、如月先輩らしい笑顔で…

いやいや、そこじゃなくてっ

「じゃあ、女の子とのたくさんの噂は?!」

今まで沢山聞いてきたんだけど…

「んー、付き合いたいって言ってくれる子達がたくさんいるんだけどさ、俺、自分から好きになった子と、お付き合いしたいんだよね」


なんと

どこぞの純粋ボーイですか

「そんときに、しつこい子には、結構酷い振り方しちゃう時があって、その子達が勝手に流してるんだよね、やー、噂って怖いねー」


あはは、と楽しそうに笑う先輩


そうだったんだ…


恨まれるほど酷い振り方って…

「なんか、今まで勘違いして冷たい態度
 取っちゃってごめんなさい…」

人は見た目で判断したら駄目だよね…


「ふはっ、そんなことは気にしなくていいんだよ?」


優しく笑って、ここ座って?と椅子を引いてくれる


おとなしく座ると


「羽華ちゃんに聞きたいことがあるんだ」

「なんですか?」

真剣な表情になる先輩に私も真剣に見つめ返す


先輩の知りたいことで私が知ってることってあるかな?


「湊のことなんだけど」


九条先輩のこと


バクンバクン

名前を聞くだけで胸が激しく鳴り出す