もー、やだ、あー恥ずかしい

ふんっとかおを反対に向けたら、


「こっち、おいで?」


片手で頭を支えて横になっている先輩が、隣をとんとんっと叩いて待っている


おいでって!甘すぎる、鼻血でるっ


ここは、大人しく先輩の隣へ

さすがに一緒に横になる勇気はないので、先輩のお腹辺りに近づいて体育座りする

「あ、先輩、私明日はここに放課後来れなさそうです」

「なんで」

「部活の買い出しで、部長のお手伝いなんです」

「…美術部の部長って、男じゃなかった?」

「そーですよ?樹先輩です」


樹先輩…樹…


(かああああ)


この間の事を思い出したら、暑くなってきたっ

そうだった、告白してくれた人と買い物行くんだよね?全然忘れてた…

一人で悶絶していたら、


「…なんで今赤くなる」

「え!!や、なってないですよっ」

「………」



眉間にシワを寄せて黙ってしまう先輩


なんだろう?


わからなくて、じっと、しばらく先輩の顔を見つめる


それに気づいたのか、先輩はゆっくりと起き上がって私の肩に頭を乗せて、目をつぶった


また寝るのかな?


そう思っていたら





「…今日、一緒に帰る」


「へ?」


「放課後ここに集合」


「一緒にですか?」


「そう」


な、なんでですか!?


いきなりどうしたんですか!!



う、嬉しいけど、なんででしょう??


「わ、わかりました」


それからは何も言わずに目を閉じたままの先輩



ねえ、先輩


今日はまだ、さっきの告白のお返事もらってません

静かに隣で目を閉じている先輩を見つめる


もし、はっきりと拒絶してくれたら


私は先輩から離れられるのかな?


嬉しいさと苦しさ


私はうまく笑えてましたか?