うーん


起きてない

というか、睫毛長いなあ

肌綺麗だし

先輩を好きな子はお肌のお手入れ大変だなあ

あ、じゃあ私もか







先輩の目にかかっている、前髪にそっとふれて
目にかからないように避かしてみた








穏やかな表情で静かに寝ている先輩



きっとこんな先輩を知っているのは私だけじゃない



ここにいてほしいのは私じゃないよね、先輩?



月野先輩のことどう思ってるんですか


まだ好きなんですか



大事なことは寝ていても聞けない


聞いちゃいけない


だって終わってしまうから


私の初恋が








「……先輩、好きです」



どうしても



どうしても



諦められないんです




いっそ、早く幸せになってくださいね




そしたらきっと



この苦しみから楽になれるでしょ?



そうだよね…






「………人の寝込み襲うつもり?」











「わあああ!先輩、起きてたんですか!?」




「まぁ、誰かさんが、悪の仲間たちを増やしたところから」


「ファンクラブのみなさん、いい人たちでしたよっ!!」



「猿は、群れるタイプだよね」


「猿じゃないですよっ」


むくりとゆっくり起き上がって寝癖を直している先輩


お、起きてたなら言ってくれればいいのに


告白、聞いてたよね?今までも何度もしてきたのに、なんでか、一番緊張してる


「先輩、コンニャクで頭叩かせてください」


「なんのお仕置きにもなってないけど?」