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建付けの悪いドアをゆっくりと開ける

「先輩?……いない、ですか?」

ドアを開けたらいつものところに先輩はいなくて


少し奥まで進むと、


「…寝てるんですか?」

先輩は、黒板したの日陰で寝ていた

毛布を床に敷いて、ぐっすり寝てるみたい



「ここ、寒くないですか?」


先輩の隣にそっと腰かけて、起きるまで少し待ってみることにした


と、いっても…


暇だなぁ

先輩が起きてたとしても、先輩から喋ってくれることは無いけど、一方的に喋りかける相手がいないのも暇

かといって、起こすのもなあ


「先輩、暇なんで喋りますね?……朝ね、いつも通り先輩が来るの屋上から待ってたんですよ、そしたら先輩のファンクラブの人たちが来て、乱闘になりそうだったんですけど」

小声で、起きない程度に一人で喋ることにした
なんか、ペットの金魚に話しかける、みたいな?感覚で、

「でも、先輩のいい所しりとりしたら、仲良くなれたんですよー!最終的に、ファンクラブに勧誘されたんですけど、あ、でも、私ファンクラブには、入りませんでしたよ、個人事務所で応援したいので!」


「あとあとー、今日、先輩告白されてましたよね?その時ちょーーーーど、たまたま、偶然ですよ?居合わせちゃって、こっそり盗み聞きしてたら、後ろに如月先輩来てて、先輩驚かせてくるから、思い切り殴っちゃったんです…先輩ほっぺた、腫れてませんでしたか?」


「…………」

勿論反応は返ってこない


は、恥ずかしい

こんなに起きないものなのかな

無視?無視されてる?



そう思って先輩の顔を覗き込んでみた