「羽華、夏休み予定ある?」

あ、もうすぐ夏休みかあ
湊先輩に会える回数減っちゃうな

じゃなくてっ

「まだ決まってないです!何かあるんで
 すか?」

「あの、さ、夏休み中、会える?」

「はい!部活には、顔出すつもりです!」

「2人で会いたいんだけど、ダメかな?」

「ふたり?」


二人きりってそれじゃあまるで、

「デートみたいですね?」

まさか、と思って冗談混じりで返したら

「そう、デート」


真面目な顔で樹先輩は言った

「…私と?」

「うん、羽華と」


先輩、とふたり

デート


え、えまさかそんな


先輩って、私のこと…

「ははっ、やっと気づいてくれた?顔真っ赤
 だよ?」


突然の事に驚いて固まっていたら、優しく私を撫でてくれる先輩


でも、

「あの、私、湊先輩のことが…」

「うん、知ってる」

樹先輩は、少し寂しそうに笑った
その顔を見て、きゅっと苦しくなる

「だけどさ、俺、羽華が入部してくれた時か
 らずっと好きだったんだ、一目惚れってや
 つ?」

照れくさそうに、首の後ろをかく先輩

「だから、知ってたよずっと、羽華が誰を
 好きなんて」

「…はい」

「それでも、羽華のこと諦めらんなくて、
 今もずっと、片思いしてる」