「羽華のことたくさん、傷つけた」
「……」
私を抱き止めたまま話し始めた先輩の声は悲しそうに震えていた
「俺って、自分勝手だし言葉足らずだし、ちゃんと解ってあげられないことの方が多いと思う」
そこで私から体を離すと、眉をひそめて、言った
「でも、もう、離してあげられそうにない」
そんな、嬉しいこと言ってくれるの?
先輩、わかってるでしょう?
「俺の側にこれからもいて欲しい、羽華」
私の頬に手を添えて、私の名前を呼ぶ湊先輩
最高すぎて、表情がだらしなく崩れるのがわかる
「自分勝手なのは、私もですし、言葉足らずなのは私がお喋りなので、相性バッチリですし、先輩は充分私のこと解ってくれてます、ていうか、私は先輩と同じ空気を吸わさせて貰ってるだけで幸せです」
頬に添えられた手に自分の手を重ねれば、先輩は指を絡めて私を腕の中へと引き寄せた
「離してあげられないのは私も同じです」
だから、
「死ぬまでストーカー宣言しちゃいます!!」
「……いや、遠慮しとく」
「ちょっとおおお!そこは、俺も(イケボ)って言うところですよっ!!」
「ほら、黙って」
眉を下げて笑う姿に、そんな風にも笑うんだって思っていたら、先輩の顔が近づいて
優しく私に触れた
名残惜しむように、そっと最後に摘まむように上の唇に触れると先輩は離れて、私に留目をさした
「これで羽華の初めては俺ね」
もちろんです、先輩
真っ赤になった私の頬をツンツンつついてくる先輩に抱きつけば
同じ様に抱き締めて返してくれた
いつか、こんな日がくること
望んでいたのに、どこかで諦めていたのは私だったのかもしれない
だから、
「先輩、一生離れません!」
「ほんと?」
「はい!先輩の初めての責任は私が取るんで!」
「…あぁ、そう(なんか、もうなんにも言えないな…)」
腕を組んで歩く
十年先も、四十年先も
ずっと隣にいさせてください!!

