体を丸めて、膝に顎を乗せ、耳を澄ませた
どんな暴露が始まるんだろー
どこか上の空で、マイクの音を聞いていた
だから、最初は勘違いだと思った
まさか、だから
あるわけない
否定しても否定しても、それを打ち消すように聞こえてくる声は………
────「羽華、迎えに来て。デートの約束してたでしょ?」
この人は、本当にいつも、いつも
────「………会いたいんだよ、早く来て?」
ずるい
そんなこと言われたら、もう離してあげられなくなっちゃいますよ?
こんなに、遠くにいるのに
先輩の声だけは、はっきりと聞こえちゃうんだもん
嫌になっちゃうでしょ?