遠くで、歓声が上がる
生徒の声も、盛り上りからも切り離されたここは、まるで別世界で
ほんとうの一人ぼっちな気がしてまた泣きそうなった
──…
「んはっ!?」
膝に埋めていた顔を上げて体制が苦しくなって、体を動かす
いたたたっ、痺れたぁ
……寝ていた。完璧に泣き疲れ
目も重たくて、しばしばする
涙を全部、枯れ果てたよ、これ
……先輩、何してるかなぁ
ちゃんと、起きて学校祭参加してるかなぁ?
楽しんでますか?
…紗夜さんにちゃんと学校案内してますか?
やっぱり、私は四六時中、先輩の事を考えることをしばらくは止められそうにありません
たぶん、盗撮も
朝のストーカー行為も
いつも目で追ってしまうことも
名前で呼ぶことも
「会いたいなぁ……」
小さく呟いた声は、狭い空間に響くこともなくただ心にストンと悲しみを落としていった
目を閉じれば、グラウンドの方からマイクの声がここまで響いていることに気づいた
そうだ、今日は夕方から【魂の叫び・丸裸にな~れ大会】が開催されるんだったなぁ
このセンスの無い大会名は、洸くんが付けた
誇らしげにタイトルを決めた洸くんに、誰も何も言えなかったのです…
ここからでも、聞こえるかな?
地味に参加したかったんだよね
でも、この顔面パンパン状態で参加するわけにはいかないしなぁ
盗み聞きみたいになっちゃうけど、ここからこっそり参加しよう