♡♡♡

あれからどのくらい時間がたっただろう
絵は描き終わらなくて、また、本校舎の美術室に戻してきた








その時には既に外は真っ暗になっていた


ちょっと残りすぎちゃったな
一人、暗くなった旧校舎の美術室でぐーっと大きく背中を伸ばした



先輩来なかったな





最近は少し仲良くなってた気がしてたんだけどなあ…そんな風に思ってたのは私だけだったみたい




今何してるのかな?



周りが暗いからか、気分まで落ち込んできてしまう

自然と嫌な想像まで浮かんでくる


もしかして月野先輩といるのかな
私のことなんて忘れて帰っちゃったのかな


月野先輩の前だけではいつもと違う九条先輩




ただの想像なのに、なんとなく、悲しくなった





胸がツキンと痛むんだ




先輩のこと想い続けるだけでよかったのに




どんどん欲張りになってしまう


だけど、叶うことはないから


月野先輩といる先輩を思い出したくなくて、ぎゅっと目をつぶる


もう、帰ろう
そう思って、鞄にてを伸ばした時、





ガラガラガラッ





勢いよく開いた扉









「やっぱり、まだいた」





そこには、息を切らした先輩がいたんだ