急いで、旧校舎の美術室に戻ってきたけど
まだ先輩は来ていなかった

私は、持ってきたキャンバスを台に設置して
画才を机に広げた


キャンバスいっぱいに描かれた夕焼け空
グラデーションになっていて、したの方には
色とりどりの花が描かれている

あの日、先輩に会った日の空

ここに、何か足りなくて今でも完成していない

視線の先には、校内にも関わらず、窓から覗く綺麗な夕焼け空と風に揺られる花壇の花が見えた

この場所でなら、何か思い付くかもしれない

窓から覗く景色に視線を向けながら、私はキャンバスに筆を走らせた