───……湊先輩を探して早三十分
いない
どこを探してもいない
いつもなら、すぐに見つけられるのになあ
周りは同じ学校の生徒で溢れてるのに、先輩はいない
連絡もつかない
先輩のことだから通知音消してるんだと思うけど…
「……せんぱーい」
心細くなって呟く
来てくれるわけないのに
こんな時、改めて実感するんだ
私が先輩のこと、一生懸命追いかけないと、先輩はどこかに行ってしまう
追い付けなくてたまに凄く虚しくなる
「ずっと、くっついていられたらなあ…」
「いつでも歓迎だよ?」
後から聞こえた優しくて、少しからかいも含めた声
一瞬、湊先輩かと思ったけど、
もちろんそんなこともなく、まず湊先輩から優しい声なんて聞けるわけがないのです
「羽華ー?無視なのかな?」
「あっ!えっと、違くて、樹先輩なんだか久しぶりですね」
「あー、実は俺、結構成績やばくてさ、この期間死ぬほど課題だされちゃってね、今日まで先生方の目が離れなくて」
「先輩…ホントに、絵を描くこと以外に取り柄なかったんですね…」
「ホントにね…」
声は残念そうに落ち込んでいるのに顔はどこかにこやかで、危機感が全く感じられない…
つられて笑っていたら、
「それで?誰とくっついてたいって?」
「あ、はは?聞いてたんですね」
「独り言がでかいんだなあ」
湊先輩に会いたくて…と話せば少し寂しそうな表情にさせてしまって、しまった、と思ったけれど、すぐに笑って一緒に行くよと言ってくれた
樹先輩と歩きながら、湊先輩を探す
久しぶりに会った先輩は、髪が少し伸びていて、伸びた前髪を横に流してあって、優しい瞳がよく見える
「……や、ちょっと待って?…洸くん?って誰だい?しばらく会ってないうちに、……キスまでされて…」
「洸くんはもういいんです!!それより湊先輩です!!あのムッツリどこに行ったんでしょう」
「いや、洸くんって?」
一緒に探してくれている樹先輩に今日合ったことを話す
洸くんって?と妙に洸くんに興味を示してるけど…
「洸くんに、そんなに、会いたいんですか、先輩…」
確かに洸くんは、昔と比べてすっかり男子になったけど、一見カッコ良すぎる女子にも見えるから…
まさか、先輩洸くんを、
「いや、そーゆうことじゃないのさね」
妄想を始めた私の頭をでこぴんで弾くと、楽しそうに笑う先輩
そのまま、ゆっくりと頭を撫でられる
優しい手つきに目を細めてしまう
「…そっか、洸くんか…じゃあ、俺もまだまだ諦めなくてもいいよね?」
「え?」
私の頭に置かれた手に力が籠り体が先輩側に傾く
先輩を見上げたままの私の顔は、どんどん先輩の顔に近づいていく
「わっ!わ、」
反射で顔を背けた時、
「いや、諦めて」
この間近くで包まれて嗅いだばかりの、優しい爽やかな香水の香りに包まれる
包まれて、耳に響いたのは、いつもは落ち着いている彼と同じく冷めた心音が、珍しく高鳴っている音
「…なら、ちゃんと見張ってなよね」
「…いつもは忠犬でストーカーなんだよ」
不機嫌な声と会話
頭にさっきと同じ暖かさが乗っかる
「羽華、今日はここまでみたいだね、…ペテン師王子と仲良くね」
「え、樹先輩!」
軽やかに湊先輩の睨みから逃れると、ヒラヒラと手を振って消えてしまった樹先輩
思わず手を伸ばせば、
「…なに、逃げないで」
不機嫌な声が私を捕まえた
いない
どこを探してもいない
いつもなら、すぐに見つけられるのになあ
周りは同じ学校の生徒で溢れてるのに、先輩はいない
連絡もつかない
先輩のことだから通知音消してるんだと思うけど…
「……せんぱーい」
心細くなって呟く
来てくれるわけないのに
こんな時、改めて実感するんだ
私が先輩のこと、一生懸命追いかけないと、先輩はどこかに行ってしまう
追い付けなくてたまに凄く虚しくなる
「ずっと、くっついていられたらなあ…」
「いつでも歓迎だよ?」
後から聞こえた優しくて、少しからかいも含めた声
一瞬、湊先輩かと思ったけど、
もちろんそんなこともなく、まず湊先輩から優しい声なんて聞けるわけがないのです
「羽華ー?無視なのかな?」
「あっ!えっと、違くて、樹先輩なんだか久しぶりですね」
「あー、実は俺、結構成績やばくてさ、この期間死ぬほど課題だされちゃってね、今日まで先生方の目が離れなくて」
「先輩…ホントに、絵を描くこと以外に取り柄なかったんですね…」
「ホントにね…」
声は残念そうに落ち込んでいるのに顔はどこかにこやかで、危機感が全く感じられない…
つられて笑っていたら、
「それで?誰とくっついてたいって?」
「あ、はは?聞いてたんですね」
「独り言がでかいんだなあ」
湊先輩に会いたくて…と話せば少し寂しそうな表情にさせてしまって、しまった、と思ったけれど、すぐに笑って一緒に行くよと言ってくれた
樹先輩と歩きながら、湊先輩を探す
久しぶりに会った先輩は、髪が少し伸びていて、伸びた前髪を横に流してあって、優しい瞳がよく見える
「……や、ちょっと待って?…洸くん?って誰だい?しばらく会ってないうちに、……キスまでされて…」
「洸くんはもういいんです!!それより湊先輩です!!あのムッツリどこに行ったんでしょう」
「いや、洸くんって?」
一緒に探してくれている樹先輩に今日合ったことを話す
洸くんって?と妙に洸くんに興味を示してるけど…
「洸くんに、そんなに、会いたいんですか、先輩…」
確かに洸くんは、昔と比べてすっかり男子になったけど、一見カッコ良すぎる女子にも見えるから…
まさか、先輩洸くんを、
「いや、そーゆうことじゃないのさね」
妄想を始めた私の頭をでこぴんで弾くと、楽しそうに笑う先輩
そのまま、ゆっくりと頭を撫でられる
優しい手つきに目を細めてしまう
「…そっか、洸くんか…じゃあ、俺もまだまだ諦めなくてもいいよね?」
「え?」
私の頭に置かれた手に力が籠り体が先輩側に傾く
先輩を見上げたままの私の顔は、どんどん先輩の顔に近づいていく
「わっ!わ、」
反射で顔を背けた時、
「いや、諦めて」
この間近くで包まれて嗅いだばかりの、優しい爽やかな香水の香りに包まれる
包まれて、耳に響いたのは、いつもは落ち着いている彼と同じく冷めた心音が、珍しく高鳴っている音
「…なら、ちゃんと見張ってなよね」
「…いつもは忠犬でストーカーなんだよ」
不機嫌な声と会話
頭にさっきと同じ暖かさが乗っかる
「羽華、今日はここまでみたいだね、…ペテン師王子と仲良くね」
「え、樹先輩!」
軽やかに湊先輩の睨みから逃れると、ヒラヒラと手を振って消えてしまった樹先輩
思わず手を伸ばせば、
「…なに、逃げないで」
不機嫌な声が私を捕まえた

