何度でも君に好きが届くその瞬間まで

▽▽▽

待ち合わせしているいつもの噴水の前まで全速力で走る

お気に入りの白いワンピースがパタパタと揺れる

宿題終わらなくて、お母さんに遊びに行かせて貰えなかったから、遅くなっちゃった

こっちゃん、まだ待っててくれてるかな?

赤いレンガの道を走り抜け、緑の丘を下れば、小さな公園の中心にある噴水

噴水の近くにあるベンチ

そこに座るのはまるで絵本から出てきたような可愛い“女の子”

クリーム色の髪が太陽に照らされてキラキラ揺れている

「あ!羽華ちゃん!」

後ろから来た私より先に気づいて振り返ってくれたこっちゃん

まだ、まっててくれたんだね!

緑の芝生を走り抜け、こっちゃんに抱きつく

「ごめんね!宿題終わらなくて…」

「…っ!!い、いいんだよ?ちゃんと、来てくれたでしょう?」

「ん?こっちゃん、熱ある?」

何だか頬が赤いような…?

「え?!ないないないっ」

ほら、座ろっ

そう言って、ベンチをポンポンと叩いた

こっちゃんのすぐ側に座ると柔らかいお花の香りがした

こっちゃんはいつもいい香りがする

「羽華ちゃん、手出して?」

「ん?うん」

体ごと向かい合ってこっちゃんに両手を差し出す

「じゃあ、目もつむって!」

「はーい」

きゅっと、目を瞑れば少しの間のあと手にサワサワと控えめ何かぎ手に乗っかるのがわかった

「見て」

こっちゃんの優しい声に目をそっと開く

手の平には綺麗なお花で作られた花冠

色とりどりのそれは、とても公園に咲いている花ではない

「こっちゃん、これ…」

「…どうかな?お家に咲いてた花で作ったんだけど、始めてだから、作ったの…変かな」

「ううん!!すっごく綺麗!!」

「!!…よかった」

フワリと頬をピンクに染めて笑う姿に、何だかドキドキした

妖精みたいだ…

落ち着かない心を隠すように、手元の花冠に目を向ける

白の小さな花をベースにピンクに黄色、紫と沢山の種類の花が繋がって輪を作っている

「…ありがとう」

「ううん、…ずっと隠し事してたから、ごめんね」

「ん?なーに?」

「何にもっ!ねえ、それ着けてみてよ」

「うん!」

そっと壊れないように持ち上げて頭の上に乗せようとした

そんな私の手をそっと掴んだこっちゃん

フワリと私の手から花冠が離れる

「着けさせて?」

「着けてくれるの?」

「うん、ほら」

目つむって

優しく笑って花冠を持ち上げるこっちゃん