「湊先輩、おやすみなさい!」
「ん」
何だかんだと、ここまで送ってくれた優しい先輩
ポンッと優しく頭に手をおいて、一度クシャっと頭を撫でてくれた後、くるりと向きを変えて歩いていく先輩
何だか物足りない
合同授業、せっかくなんだもん、いつもと違う事をしたい
それに今は、先輩お触りし放題だしね!
「先輩っ」
小声で先輩を呼んで、先輩の腕を軽く引く
ぐっと背の高い先輩に少し背伸びして顔を近づけて、軽く先輩の頬に唇で触れた
ゆっくりと距離を取れば綺麗な黒い瞳を開いて珍しく驚いた様子の先輩がいて、それに何だか嬉しくなる
「おやすみって言ってください」
自分でもわかるドヤ顔で先輩を見れば、ガシッと顔を大きな手のひらで隠される
その手のはいつもと違って何だか熱くて、
「ちょっ、先輩苦しっ、あ、もしかして照れて……っ」
「羽華が悪い」
トンっと壁に背中がぶつかったと思ったら、目の前には先輩の顔
腰に両腕を回されて、お互いのおでこがくっつく
くっついた体に隙間がなく服の上からお互いの熱がぶつかる
甘い視線がぶつかって、どんどん顔が熱くなる
「声、我慢して?」
「……っ!」
首に顔を埋められて、柔らかい唇が何度も触れて、熱い吐息がかかる
先輩の柔らかい髪が頬にあたる
腰に回された手で体のラインをなぞられて、いちいち反応してしまう
「…っ、待って先輩、」
「ダメ」
そのまま、熱は耳元まで移動して甘く噛みつかれる
触れて、噛んでが繰り返される
私の顔がまっかに染まったとき、先輩はやっと離してくれて近距離でその無気力な瞳と視線がぶつかる
最後に優しく額にキスを落として、耳元で囁かれる
「散々お触りされたから、仕返し」
「!?」
「おやすみ?」
そっと、熱い手で私の頬をなぞり、目を細め、微笑むとスタスタと帰ってしまった先輩
急いで部屋に入り、既に寝てしまってる菜留を起こさない様に冷たいベッドに潜り、熱い体を冷やす
きっとこの先、私が先輩に勝つことなんてない
布団から出した熱い顔を優しい風が撫でる
涼しい風が吹く窓からは、いつもなら見えない綺麗な星が輝いていた

