何度でも君に好きが届くその瞬間まで



ギュッと反射で目をつぶる


けど、いつまでたってもお尻に痛みは感じない


恐る恐る目を開けた先に、


「え、湊先輩?」

「…痛い」

私を両腕で抱き締める形で尻餅をついていたのは、湊先輩で…


まさかの出来事に頭がショートする

なんで、先輩がここに?もう、とっくに寝てるかと…

すぐそばにある眠たそうな目を見つめる

すると、乱れた髪を片手で直している先輩と目が合う


「ねえ、重い」

「あ、すみませっ、……もう少しこのままでも…わっ!」

ぐいっと両手首を掴まれて勢いよく起き上がらさせられた

雑だなあ、でも、その手はすぐに離されることはなくて、優しく掴まれたまま

「先輩?」

「何してたの」

「え、あー、トイレ掃除ですよ、先輩が中に入れてかくまってくれなかったから、罰として!」

「ふーん」

ふーんって!男子部屋にいた私が悪いけど!

私の手を引いて歩きだす先輩

その方向は女子部屋に向かっているので素直に着いていく

「先輩、どうしてここに?」

「……丸山先生に連れていかれるの見てたから」

わあ、珍しく素直に答えてくれた!

嬉しくて、手をギュッと繋ぎ直して先輩の隣に並んで歩く

少し乱れた髪、大きな冷たい手、微かに窓から指す月の光で光る目が私を捕えた

いつもと同じだけど、まとっている雰囲気が大人で胸が締め付けられる


「先輩、心配して待っててくれた……」
「羽華が怒られてるとこ、見たくて」

あ、勘違いか

悔しい……この人こそ、そろそろ何らかの罰を与えられるべきなのでは?

余裕な顔で此方を意地悪な顔で見てくる先輩

全然、王子なんかじゃないよ!いや、王子なんだけどさっ

この顔を驚かせてやりたくて、先輩の背後に回り、思い切り抱きついてやる

どうだっ!いつもはやられっぱなしだけど、今日は私から頑張ってみたんですよ!

立ち止まった先輩を見上げれば、さっきと何にも変わらない顔と目が合う

そして、


「なに、発情?」

「なん!?」

「ほら、行くよ」

私は先輩の背中に抱きついたまま、無反応の先輩はどんどん私の部屋の方向に歩いていく

ズルズルと引きずられる私

あー、ここまで意識してもらえないとは

でも、負けないですよ!

背中に頬をスリスリと寄せたり、ギュッと抱きついてみたり

先輩も何も言わないからお触りし放題

途中からは、先輩をドキドキさせたいとか関係なく、私が楽しんでた所がある

その間も無反応で、あっという間に私の部屋の前まで送り届けてくれた

今日はここまでかあ