何度でも君に好きが届くその瞬間まで

♡♡♡

先輩と小さな森林を抜けた先、そこにはなかなか帰ってこなかった私達を心配した、菜留と洸君そして、裕先輩がいた


菜留と裕先輩に至ってはニヤニヤしてこちらを見ていたけど、洸君は怒りと心配が入り交じったような変な顔で私を出迎えてくれた

先輩と名残惜しくも手を振って解散した後、あ、手を振ったのは私だけで、先輩はスタスタと背中を向けて行ってしまったけれど…

午後からは早速授業が始まった


クーラーの効いた広い教室は普段過ごす学校よりも快適で、勉強も進むはずなんだけど…


窓の向こう側


窓際に座った私からは、向かいの教室で珍しく授業を受けている先輩が見えた


もう、これは



ご褒美!!




あー、かっこいいいい、頬杖をついて授業をダルそうに受けていると思えばいきなり真剣な表情で先生からの質問に答えていたり……


あー、ごちそうさま


と、まあこんなんで自分の授業を聞いている訳もなく、一回目に注意してくれたのは隣に座っていた洸君


思い切り両手で頭を掴まれて黒板に向き直された


ここで一旦先輩の観察終了


五分後



次はこっそり携帯を出して、先輩を動画に納めることに成功


が、次は運悪く先生に発見されてしまい


気づいたときには目の前にいた先生に黒板消しで叩かれて髪の毛が白くなり、それを見ていた洸君が先生に反抗


「おいっ!丸センっ、羽華の髪にさわんなよ!ハゲがうつるだろっ」

「神楽坂君、教師を何だと思ってんだい?」

「さっきから、前に座ってるギャル達に色目使ってんの知ってんだかんなっっ!?」


国語辞典の角っこで殴られる洸君

携帯を没収される私

いや、何にもしてない洸君の方が重症って…

ごめんね…


二人並んでシュンとして授業を受ける


チラッと窓の外を見る


あ、先輩こっち見て…る


お馴染みの、頬杖をついて此方を気だるそうに見つめている

先輩っ先輩!


先生にバレない様に口をパクパクさせて喋りかけてみる


すると、先輩は自分の携帯を出して此方にちらつかせながら、


『へ ん た い』


「!?」


ば、バレてた?隠し撮りしてたこと… 

は、恥ずかしい、いや今さら何だけど、先生に注意されるよりも…

パッと顔を両手で隠して指の間から先輩を目で追う


先輩は、頬杖をついたまま少し首を傾げて、目を細め眩しそうに笑って、





『バーカ』



そう言って、ニヤッと意地悪に微笑む



かっこいい…眩しさに目眩がする 


私も何か先輩と口パクお喋りしたいっ


そう思って、体を少し窓に向けたとき、



コツンッッ!!


「ったあ!」

「柚木君!!次、注意させたら今晩のバイキング無しだぞ!」

「へっ!?それだけはっ」


笑いが起こる教室

さすがに私には国語辞典ではなく、教卓からチョークが結構な勢いで飛んできただけで済んだ

でも、当たったおでこが痛い…

皆に見られるしっ

恥ずかしくて助けを求めて洸君の方を見たけど洸君も笑いを堪えている様子

参考書で顔を隠しているけど体が震えているから笑っているのがわかる


ううっ、これじゃ食いしん坊キャラみたいじゃ…


先輩の反応が怖くて窓を見ることはもう、出来なかった








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「……ふはっ」

「ん?どうしたー、九条」

「あー、何でもない」

「先生にタメ口止めようなー」


こちらの教室にも笑いが起こる

「湊、いきなり笑うなんてどしたん?」

「いや、別に?」

「ん?てか、あれ羽華ちゃん?先生に何、あれ、お祈り?してんの」

「お願い、じゃない?」

「?、ははっ、羽華ちゃん、動きおもしろ!」

「……裕、羽華と仲良いね」

「なーに、寂しがりか?あ、嫉妬?」

「……うざ」

「キャーっ、何、羽華ちゃんに?それとも俺にー??」

「先生ー、裕が携帯見てる」

「あっ!?ちょいっ、湊!先生、ちがっ」

「タメ口ー、はもう、いーや、如月携帯こっち持ってこーい」

「なん!?ちょ、まっ!!」

「…わーい」


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