何度でも君に好きが届くその瞬間まで

♡♡♡

「羽華!!!」

朝、まだ目覚ましがなる前
ぐっすり眠っていたら、勢いよく開けられた扉
驚いて、思わず布団にくるまる

「羽華!ごめんな、やっぱり俺が西先黙らせて、一緒に帰ってればよかったっ…」

「洸君…苦しいっ」

布団ごと抱き締められて、暑いわ苦しいわ
でも、洸君の顔は本気で心配してくれているから、申し訳ない気持ちでいっぱいになる

しばらく抱き締めて落ち着いたのか布団から解放してくれる

今度は正面から抱き締められる

「どこも怪我してない?」

「うん、ごめんね?ありがとう」

よかったあ、とため息が聞こえる

心配かけたなあ、洸君のさらさらの髪を優しく撫でる

そっと離れていく
その腕は腰に回ったままだったけど

「つーか、月野って誰だよ、うぜぇ、誰かに頼んで嫌がらせするとか、胸糞わりぃ」

可愛い顔でなんて暴言を…
昨日の夜、洸君に電話で帰りに合ったことを話したから、全部知っている

月野先輩、
ちゃんと話さないと、私が

「羽華…?」

「え?」

「……危ないことしないでね?」

不安そうな顔で私の顔を覗き込む
顔に出てたかな

「でも、私もちゃんとしないと」

「…はあ、うん、わかったよ、だけどちゃんと今度からは俺にも言ってね?」

洸君の顔がゆっくり近づいてくる
綺麗な茶色の瞳に捕まる



「羽華の事なら、何でもわかるんだから」


そっと頬をなぞられて、触れられたところが熱くなる
腰を引き寄せられて、体がくっつく

いつもより熱っぽい洸君の茶色の瞳が近づいてくる


近いっ

きゅっと目をつむって顔を背けたとき


ピッピッピッピッ


「目覚ましかよ…」

明らかに残念がる洸君
や、や、今のって、危なかったんじゃ

顔が熱くなって手で仰いでいたら

「続きはまた後で、ね」

にやっと笑って部屋からでていく

わざとだ、からかったんだあ!

朝から熱くなって、勢いよく脱いだパジャマを布団に投げ捨てた