何度でも君に好きが届くその瞬間まで


月野、先輩

ひゅっと喉から変な空気が通る

「………ずっと、後ろから私をつけてたのもあなたですか?……物、隠してたのも…」

「…は?そんなことされてたの」

じとっと先輩に睨まれる
思わずひっと声が出そうになる
だって今の先輩凄く怖い…

「物は、隠してねえけど、後つけてたのは、俺だ」

下をみて、固まる男子

物を隠してたのは月野先輩かな…?

でも、後をつけられるのはもうこれから、ないよね?


不安そうな私を見て、頭をひと撫でして、男子の方に近づいていく

「あのさ」

男子の前にしゃがみこむ先輩

「また、羽華に手だしたら、どうなるかわかる?」

先輩の低い声が狭い空間に響く
うんうんと、首をちぎれんばかりにふる男子

「じゃあ、羽華に謝って、早く消えて」

「はいいいいいいぃぃ!!!」

バッと私に近寄ってきて目の前で頭を下げる

「ごめんなさいいい!!」

「……はぃ」

ビックリしてなにも言えない
確かに怖かったけど、チャラい人に目の前でお辞儀されるとなんだかなあ

消えて、と先輩に言われたからかビュンッとこの場からいなくなってしまった