何度でも君に好きが届くその瞬間まで

「俺もさー、こんな事したくないんだけどさ、頼まれたんだよねー」

頼まれた?

ニタニタと笑いながら顔を近づけてきて耳に唇で触れられる

やだやだっ

「だ、誰にですかっ?」

「んー、誰でしょう?まあ、いっしょ、君のこと、好きにしていいって言われてるし、俺としてはラッキーなんだよね」

手を片手で上に持ち上げられて、片方の手が腰に回ってくる

スル、と背中に手が滑り込んでくる


「やっ、放してっ!」

「静かに、バレちゃうよ?あ、ここ人通らないから大丈夫か」


そのまま顔を近づけてきてキスされそうになる



嫌だ嫌だ嫌だ


気持ち悪いっ




先輩…湊先輩っ



いるわけないのに、来るはずがないのに
大好きな先輩の名前を何度も呼ぶ



湊先輩っ助けてっ!!





もうっ、ダメっ



背中に触れられた熱い手


締め付けられる手首


顔が近づいて、触れそうになった時









「羽華!!」