何度でも君に好きが届くその瞬間まで

冷たい壁が背中にあたる
手首はしっかり掴まれていて顔の横にある
力で押し返そうとするけど強くて動かない


「放してっ」


うつむいていた顔をあげる

そこにいたのは、




「だ、れ」




全然知らない男の子




でも、うちの制服を着ているし、緑のネクタイをつけているから、三年だってことはわかった


明るい茶色の髪で制服を着崩していて、チャラいイメージがある



「あー、やっぱり、覚えてないんだ、俺のこと?」


近い距離で喋りかけられる


低い声にビクッと震える



「一年前に告白したんだけどなー、振られたけどねえ?」


にやっと笑う彼

覚えてない…失礼かもしれないけど湊先輩しか見えてなかったから告白は何度かされてきたけど、全部断っている