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「あれ?」

「羽華!?どうした?」

二時間目の前

教科書を出そうとして手が止まる
洸君が大袈裟に心配して近づいてきてくれる

「教科書忘れたみたい…」

「ん?でも、そんなわけなくない?だって俺と一緒に準備したじゃん昨日の夜」

そう、昨日は洸君が夜ご飯をうちに食べに来てて、一緒に宿題をしてから、そのまま今日の準備をしたんだよねえ

「俺、見た気がしたけど、羽華が科学の教科書いれるとこ…」

「うん、私も入れた気がするんだけど…」

「なになにー?」


そこに菜留が来てくれる
机の上に鞄の中身を全部出している私たちを見て、察したのか

「え?またー?」

と驚いている

「最近多くない?」

そう、そうなんだよねえ
物がなくなったり、ジャージも隠されてたりして、次の日に戻ってくること

今のところ戻ってくるからいいんだけど、

「いや、よくないでしょ、心当たりないの?」

「ああ、羽華にこんなことするなんて許さないよ?」

どこの誰に対して怒っているのか、洸君は眉間にシワを寄せて机を殴っている

ああ、可愛いお顔が…