いつも通りの優しい柔らかな笑顔にほっとする

言ってもいいかな…

洸君に相談したりしたら凄い勢いで騒ぎだしそうだし…菜留にも心配かけたくない

湊先輩にだって…迷惑かけたくない

裕先輩にだって迷惑をかけたい訳じゃないけど…


でも、誰にも相談しないで何か合ったら、困るよね

「実は…」

最近あったことを話す

誰かに見られていること、それと帰り道に後をつけられている気がすること

裕先輩は、うんうんと言いながら話を聞いてくれた

湊先輩には迷惑かけたくないから内緒にしてくださいって最後に伝えて

「そっか、でも何で後なんかつけられるんだろうね?」

「はい、」

誰かに迷惑かけてたのかな?
嫌な思いさせてたとか…

心当たりが無さすぎる

「湊に、話した方がいいんじゃない?」

「う、うーん」

「んー、話したくないならしょうがないね、とりあえず帰りは誰かと一緒に帰ること!これ、約束!」

「はい!」

「ほら、最近転入してきた彼とかね?」

「え?先輩何で知って、」

「やー、あんな美青年、歩いてたら気づくよー、それにさ、湊が昨日から機嫌悪いんだよ」

ん?湊先輩が?
確かにちょっといつもより会話が成り立たないなあとは思ってたけど…

「何でか、わかる?」

「なんでしょう?」

「さーねぇ」

楽しそうに笑いながら立ち上がって
教室まで送るよって、手を引いてくれる

え?気になるんだけどなあ
この調子じゃ教えてくれないよね

「羽華ちゃんも、中々の鈍感だなあ」

「え?」

「何でもないよ?」

湊先輩の隣を歩くときも思うけど、裕先輩と歩いてても周りから目立つなあ

チャラチャラした見た目だけど、優しくて頼りになる先輩

「裕先輩、ありがとうございます」

「わお!羽華ちゃんが俺に優しい!」

「実は真面目な先輩への敬意をこめただけですよ」

「真面目だなんてー、キャラ壊れるからあんまし、大きな声で言わないでー」

そんな何ともない会話を久しぶりにした気がしてほっと一息つけた昼休みでした