何度でも君に好きが届くその瞬間まで

「羽華とは、幼馴染みなんで俺は羽華と手、繋ぎますけどね?」

ん?自己理論を勝手に作らないでほしい

先輩と繋いでいた方の手をわざと繋いでくる

ああ、先輩の温もりが…

「洸君、離して?」

「ん?」


笑顔でこちらを見てくる

ん?じゃなくて…

「私、洸君とは、付き合えないよ」

「それ、さっきも聞いた」

「先輩と、帰る」


繋いでいた手を離そうとする
けど、ぎゅっと繋がれて離してくれない


「羽華」

すぐ後ろから先輩の声

気づけば耳元に先輩の顔が


「また明日、待ってるから」

そのまま、ヒラヒラと手をふって帰っていく先輩

その姿をぼーっと見つめる

待ってるからって、言われた
表情が緩まるのを感じる