何度でも君に好きが届くその瞬間まで

今度は私が顔を背ける番

「羽華、こっち見て?」

「…何でしょうか?」

顔の位置をもとに戻すと思ったより洸君との距離が近くなっていて、びっくりしてしまう


私の手を取る洸君

どうしたの?って聞こうとした


コツンとおでこがぶつかる


「もう、絶対離れないし寂しい思いもさせない、羽華と離れるなんて考えらんない」


そっと、口元に手を持っていかれる



「だから、付き合おうか?」


チュッと、形の整った唇で手の甲に触れられる

さながら、本当に絵本の中の王子の様に


騒がしくなる教室
そんな、叫び声も私には届かない



付き合って



付き合う?




「好き……なの?私のこと、洸君…」

「うん、ずっとね?」


ふわりと微笑む


あー、可愛い笑顔だね

フワッと優しく持ち上げられる
腰に手が回されて、ぐっと距離が縮まる

「あの日にも、好きって言ったんだけどなあ」

まあ、いいや

顔の距離が近くなる

「好き、これからはいつでも言えるから、楽しみにしててね?」


直前、洸君の顔はすごく優しくて、色っぽい瞳に掴まってしまう

軽く頬にキスされる











「「「「わああああ!!!」」」」

教室にいた、女子と男子の驚きの声が響き渡った

それは、ここは二階にも関わらず三階の教室にも届いたらしい



そのまま固まった私を戻ってきた菜留が発見して、私を抱き締めたまま離さない洸君から、ひっぺがして、回収してくれた


この事が後に大騒ぎになると知らずに