視線の事

気のせいかもしれないから、先輩には、言わないでおく

せっかく月野先輩の問題が解決したばっかりなのに、迷惑はかけられない

「先輩、青春が枯れるのなんて、すぐですからね!ちゃんと、楽しみましょう!」

「やだ、めんどくさい…」

夕陽に照らされて、並ぶ二つの影
近くにいる先輩から香る涼しげな香水の香り

無気力な横顔
たまに見せる優しさと、真剣な顔

全部が大好き


「先輩、誕生日には帽子プレゼントしますね」

「….ハゲ引きずってる?」


出会ったばかりの時とは違うこの距離が私の一番の宝物