別に照れるところじゃないのに照れている先輩を見ていたら面白くって

布団に頭ごと被って、震えて笑っていたら
すぐ隣で、ギシッとベットの軋む音がする

胸の上辺りに腕が乗っかり控えめな重さがかかって、同時に先輩が隣に横になったから右半分だけ暖かい先輩の体温が伝わってくる

「先輩、重いです」

「羽華運んだら、重くて眠くなった」

重いの部分をわざと強調して言ってくるあたり
いつもの先輩だね

私の上に乗っかった腕とは、反対の手で自分の頭を支えて、横向きになってこちらを見つめてくる

近いよ、距離がとても女嫌いとは、思えないんだよなあ

「サービスですか?」

「聞きたいことあるんだけど」

会話にならない

でも、真面目な顔をしているので
私も横向きに寝転がって、向かい合わせになる

風邪うつらなきゃ、いいけど




「ちゃんと答えて、足、誰にやられた?」




忘れてなかったかあ
この話は、もういいって言ってませんでしたか?


「無駄な記憶力です」

「ほら、答えて」

「嫌です」

「嫌は嫌じゃない」

「好きです」

「…言ったら、写真とらせてあげる」

「……………嫌」

「迷いすぎ」


にやっと、悪戯っ子のような笑みを浮かべた

あ、ヤバイかも
思ったときにはもう遅い